会社の食事代、どこまで経費にできる?

~交際費・福利厚生費・会議費の違いと注意点~

「お客様との会食」「社員とのランチ」「打ち合わせ中の軽食」など、日々の業務の中で“食事”を伴う場面は少なくありません。

そんなとき、気になるのが——
「この食事代、経費にしていいの?」

実は、食事代の扱いは内容によって経費区分や税務上の取り扱いが異なります。
うっかり処理を間違えると、税務調査で否認されるリスクも。

この記事では、「どこまでがOKで、どこからがNGか?」を、ケース別に整理して解説します。

目次

お客様との会食:交際費として処理

取引先や営業先との飲食は、基本的に「交際費」に該当します。

◎ 経費にできる範囲

  • 取引先との会食・接待・打ち上げ
  • 贈答を伴う飲食会

◎ 注意点

  • 法人の場合、資本金1億円以下なら年800万円までは全額損金算入が可能です。
  • 領収書には「いつ・誰と・どこで・何の目的で」の記録を残しておくと安心です。

※社内の役員同士の会食などは、交際費に含まれても税務上認められないことがあるので要注意です。

社員との食事:福利厚生費になる場合も

社員とのランチや打ち上げ、懇親会などの飲食代は、条件を満たせば“福利厚生費”として処理可能です。これは、会社全体の福利として支出されたと認められる場合に限られます。

◎ 福利厚生費になる主なケース

  • 忘年会・新年会・歓迎会・納涼会などの社内イベント
  • 社員旅行中の食事
  • 誕生日祝い、永年勤続表彰などに付随する会食

◎ 注意点

  • 役員だけの会食は福利厚生費にできません。
  • 参加者が特定の社員に偏っていないか、公平に開催されているかもチェックポイントになります。

社内の打ち合わせ中の軽食・弁当:会議費として処理可能

会議やセミナー中に出されたお弁当やコーヒー・お茶などは、「会議費」として経費計上できることがあります。

◎ 会議費として認められる条件

  • 明確な会議・打ち合わせの場であること
  • 業務に付随して提供されていること(業務時間中)
  • 過度な飲食やアルコールが含まれていないこと

◎ よくある例

  • 外部講師を招いた研修でのお弁当
  • 長時間の社内会議での軽食
  • お客様との商談での茶菓子

「これは会議費?」と迷う場合は、金額が常識の範囲内かどうかを一つの目安にしましょう。

経費にできないケースとは?

以下のような食事代は、基本的に経費計上できません。

  • 個人の食事代(プライベートな外食)
  • 役員の家族との会食費
  • 常識を超える高額接待・飲み会
  • 帳簿・領収書の記録が不十分なもの

また、現金支払いで領収書がない場合や、クレジット明細だけで処理していると、後で説明がつかなくなることも。
なるべく領収書を保管し、「誰と」「なぜ」の記録(出金伝票やメモ書き)を残しておきましょう。

最後に:食事代は「目的」と「範囲」がすべて

同じ「飲食」にかかる費用でも、「誰と」「何の目的で」使ったかによって、税務上の扱いは大きく変わります。

経費になるかどうかの判断は、「業務に必要かつ、常識の範囲かどうか」。

そのうえで、正しい科目で処理し、必要な記録を残しておくことが、節税にも、税務調査対策にもつながります。

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